「続 意識の流れ」
最後は瞑想です 正しい瞑想をしましょう


はじめに



2007年に、本書の初版発刊以来、3年の月日が経ちました。今年5月に、『意識の流れ』の増補改訂版(新刊)が発刊されまし

たこともあり、このたび、『続 意識の流れ』の改訂版を塩川香世さんと私の共著で、出版させていただくことになりました。

本書は、真実の世界をあなたの心で知っていくための手順を簡潔にまとめています。つまり、正しい瞑想をするにあたっての実践本です。

従って、まずは、『意識の流れ』をしっかりと読んでいただくことをお勧めします。その上で、私もやってみよう、真摯(しんし)に真剣に自分の人生を振り返り、自分と向き合っていこうと思われたならば、本書に沿って、ご自身の実践をお願いしたいと思います。

私達の学びは実践あるのみです。自分自身の心の体験を通して、自分の心で分かってこなければならないのです。

また、心で分かるために、今のあなたがあり、あなたの人生があることを、私達はお伝えしています。

『意識の流れ』と本書に、私達がお伝えしたいことは、すべて網羅(もうら)しています。どうぞ、この二冊を繰り返し読んでいただければと思います。私達がお伝えしたいこととは何か、ポイントを外さずに読んでいただければ幸いです。

そして、余力のある人は、直近(2010年10月)発刊、塩川香世著『その人、田池留吉』を、ぜひ読んでみてください。

そうすれば、『意識の流れ』と本書の内容が、より身近に感じられると思います。

さて、前置きはこのくらいにしまして、本題に入っていきたいと思います。

先に申し上げましたように、『意識の流れ』に、私が申し上げたいことは、すべて網羅(もうら)しておりますが、今回は、「瞑想」という観点から、真実の世界をもう少し語ってみようと思い、このように『意識の流れ』の続編という形にさせていただきました。

本書の副題に、「最後は瞑想です」、そして、「正しい瞑想をしましょう」と付けさせていただきました。

私達は、自分の思いを伝えたり、考えを述べたりするときに、通常、言葉というものを使用します。以心伝心ということもありますが、伝達手段は、言語、言葉です。そして、それらにはそれぞれ万国共通の意味合いがあります。しかし、同じ言葉を用いても、その真の意味合いを、正しく伝達するには限界があって、言葉では表現できない場合があります。

例えば、愛であるとか、優しさとか温もりであるとか、幸せ、喜びであるとか、辞書で定義づけられているものと、私がお伝えしているそれらとは、全く異なるものであるとは言いませんが、真の意味合いは違うのです。

そのことをお分かりいただくには、ひとつひとつ手順を踏んでいかなければならないのです。そして、最後に行き着くところは、瞑想です。それも「正しい瞑想です」ということを伝えたいために、私は、ここに本書を記していこうとしています。

真実の世界が、心で感じられたならば、もう言葉は必要としないのです。そして、言葉を発しながら、実は、私達は波動を流していることを感じてきます。その波動が明るいか暗いか、または荒い波動なのか、それとも柔らかいものなのか、そのような様々なことが、自分の心で感じられてくるのです。

優しい言葉や態度と裏腹なものを感じたり、その反対もあったりするのは、言葉や態度では、決して誤魔化(ごまか)せない何かがあるからではないでしょうか。

私は、その世界を、波動の世界と伝えてきました。

波動の世界とは、目に見えない世界のことですが、私はその世界が、実在することを伝えてきました。いいえ、目に見えない世界が本物 の世界であって、目に見える世界は、その世界の影の世界であることを伝え続けてまいりました。

そして、目に見えない世界を、どのように知っていくのかということになれば、それは、「あなたの心で知っていってください。あなたの心でしか分からない世界です」ということも、重ねて申してきました。

本当の世界を心で知っていただくために、私は、セミナーを約20年間にわたり開催してきたのです。

そのセミナーのこと、そして、その様子の一端は、本文に掲載しておりますので、学びの推移および概略は、お分かりいただけるかと思います。

しかし、何よりも大切なことは、『意識の流れ』の本文に繰り返し あるように、「あなた自身の心を見る」ことに尽きるのです。そして、あなた自身を動かしているエネルギーの実体を知っていくことにあります。

そのことを知っていかなければ、なぜ生まれてきたのか、何をするために今があるのかということが、分からないのです。そのことが分からなければ、どのように生きていけばいいのか、そして、どのように死んでいけばいいのかも分からなくて、結局は、本当の人生にも、本当の喜び、幸せにも、本当の愛、優しさ、温もりにも出会えないということになります。

自分の心を見て、自分の出すエネルギーの実体を知って、さらに、正しい瞑想を通して真実を知っていく。それが本当の人生であると、私は確信しています。

私のこの思いを、「本当のことを知りたい」「人生とは何だろうか」と真剣に考えている人達に、本書を通して、真っ直ぐにお伝えすることができれば幸いだと思っています。

私達は、一人でも多くの人との出会いを心待ちにしています。『意識の流れ』ともども本書も、どうぞ末永く、あなたの側に置いて、これからのあなた自身の指針にされることを、心より願っています。

 

2010年11月      田池  留吉