「卑弥呼、悲哀から目覚めへ」

1. 卑弥呼と言えば、どのような思いが
湧いてでてくるでしょうか。



卑弥呼、卑弥呼、卑弥呼。語りたくない言葉でした。一方では語りたかった言葉でした。卑弥呼と呼びたかった。卑弥呼を認めさせたかった。我は卑弥呼なりと認めさせたかった。そんな思いが湧いて出てきます。

卑弥呼は素晴らしい者として、権力も何もかもその手中に収めました。

確かに卑弥呼は存在していました。卑弥呼と呼ばれる意識は存在しています。

我は卑弥呼なり。そんな思いの中で転生を繰り返してきた、たくさんの意識達に、今、告げます。卑弥呼の思いを語りなさい。卑弥呼に思いを向けなさい。卑弥呼は素晴らしき者ではございません。

卑弥呼の語る言葉、卑弥呼から出るエネルギーは真っ黒です。しかし、卑弥呼は崇められました。崇め奉られました。

そして、その陰でどれだけの巫女が地獄の日々を送ってきたか。

卑弥呼になりたかった巫女たちの思いを今、ここに記しなさい。

卑弥呼は巫女の頂点ではありません。しかし、巫女はそのように思い、自分を叱咤激励(しったげきれい)し、我の霊能力を高めるために、どんな苦難にも挑んでまいりました。

霊能力です。パワーです。卑弥呼の地位を我がものにしたかった。卑弥呼は素晴らしき者と、それぞれの心に培ってきました。

卑弥呼は存在しますか。

卑弥呼は、あなたの心の中に存在する「我一番、我を敬え、我を認めよ、我こそ素晴らしき者」、その意識の象徴です。

卑弥呼という人間は確かに存在していたでしょう。しかし、その者もまた己の出したエネルギーの中で地獄を見てまいりました。

地獄、地獄、地獄。すべてが地獄でした。

権勢を誇ってきた、財力を手にしてきた、すべてを己の意のままに操ってきた、その世界はたちまち闇黒の世界へと変わっていきました。

いいえ、変わっていったのではありません。そこが闇黒の世界だったことに気付けなかっただけです。

愚かな、愚かな心の持ち主。意識の世界は暗闇の世界、哀れな世界。

己を知らずにきた哀れな卑弥呼の思いを、それぞれの閉ざされた心の中から叫んでください。卑弥呼は素晴らしい者ではございません。卑弥呼は哀れな存在です。

しかし、その卑弥呼の意識も、愛に目覚める時がやってきたんです。温もりと喜びの中にあった自分だったと、そう、それぞれの心の中の卑弥呼に伝えなさい。ともに帰れることを伝えなさい。

卑弥呼、ああ卑弥呼。語りたくない思いがあります。語らせてくださいという思いも来ます。

心をしっかりと、温もりに、喜びに愛に向け、これからの時間、卑弥呼を語ってまいります。

私はたくさんの霊能者を引き入れてきました。心の中でたくさんの霊能者を使ってきました。その霊能をもって私の権勢を誇ってまいりました。卑弥呼の力を示したかった。霊能力に長けた者を起用しました。

寵愛(ちょうあい)しました。私のもとに侍(はべ)らせました。卑弥呼は素晴らしいと、そしてすべての権力をこの手の中に収めたかった。

権力を集めれば、私は素晴らしい人間になる。私は神に選ばれた者。

私のもとにすべてを侍らせていきました。私の支配下にすべてを置きたかった。

霊能力者、いわゆる神のお告げをする者、巫女。巫女を私の手中に収めました。巫女の言葉を私は利用してきました。政治に、国を統一するために利用してきました。

私の役に立たない巫女は即刻、首を撥(は)ねました。その命を簡単に奪い取りました。たくさんの巫女を殺してきました。巫女を一人の人間だと思ってきませんでした。私の奴隷、私の僕(しもべ)でした。私は巫女たちの思いを全く受け入れようとはしませんでした。ただ私は、私が素晴らしい者として頂点を極めたかった。そのために巫女の力を利用してきました。巫女の力を利用しながら、私の地位を大きく、大きく、大きく、この天まで届けと大きく伸ばしていきたかった。そして、盤石(ばんじゃく)なものにしたかった。

巫女の恨み辛みを一身に受けました。しかし、私はそんなもの、ものともしなかった。私は選ばれた人間です。素晴らしい、すべてをこの手中に収められる人間なんです。巫女の一人や二人、いいえ、十人、百人、千人、もっと、もっと多くの者が、私のもとに侍(はべ)りました。権勢を誇ってきました。卑弥呼の名を全国に響き渡らせたかった。いいえ、海を越えて、あの海を越えたあの国へも、私のこの名前を広めたかった。私の野望は尽きることはありませんでした。

この身をどこまでも大きく、大きくしていきました。そのためには何だって利用してきました。

私は素晴らしき者。たくさんの巫女の犠牲の上に私は権勢を欲しいままにしてまいりました。

私の人生は素晴らしいものであらねばなりませんでした。

私は卑弥呼の意識に思いを向け淡々と語ります。卑弥呼を淡々と語っていきます。私の中に卑弥呼の思いが喜びへと変わっていく様を感じています。田池留吉、アルバート、愛の方向に向けながら、卑弥呼を淡々と語っていける喜びを感じます。

ありがとうございます。卑弥呼の意識は、真っ暗な、真っ黒な、どうしようもない苦しみの中に落ちて、落ちて、落ちまくりました。

しかし、私は今世、こうして肉体を持ち、卑弥呼の思いを心に感じ、そして、卑弥呼の思いを心に語り、この思いとともに母なる宇宙へ帰れる喜びを伝えていきます。伝えることが喜びです。

卑弥呼へ思いを喜びで向けていきます。卑弥呼を喜びで語っていきます。どうぞ、皆さんも、淡々と卑弥呼を語ってください。

卑弥呼は間違ってきました。それぞれの心の中に作ってきた卑弥呼の思い、卑弥呼の意識、その切々と語る卑弥呼に心を向け、どうぞ、あなたの心から吐き出していってください。

卑弥呼は待っています。心を温もりと優しさで包んでくれるのを待っています。それぞれの心の中の卑弥呼をどうぞ、どうぞ、優しく、優しく包み込み、卑弥呼の心を聞いてあげてください。