第二の人生
― ラストチャンスです ―


第1章



6.本当の生き方
 ― 自らに優しさを注いでください ―

 人間を形あるものとしてとらえるところから、形のないものとしてとらえるところへ、あなたの目線を移してみて、先頃、不世出と評されたスーパースターが、突然の死を迎えたという報道を思い起こしてみてください。
 
 メディアは、それを一斉に伝えました。
 あなたは、この報道に触れた時に、どのように感じられましたか。
 そして、今、あなたの目線を変えて、このことを思い返した時、どのように感じられますか。
 そこには、あなたの視覚や聴覚で感じ知り得る世界と、映像や音声とは関係なく、あなたの心に響いてくる世界がありませんか。
 
 確かに、彼は、その世界においては、不世出と言われるほど、才能に恵まれていたかもしれません。いいえ、そうだったのでしょう。
 才能に恵まれ、望めば何でも自分の元に届けられる、そんな生活の中で、では、心の世界はどうだったのでしょうか。
 大好きな歌やダンスで、心を本当に癒していたのでしょうか。
 自らをマシンだと言ってきた心の中は、おそらく、誰にも推し量ることはできなかったでしょう。
 莫大な財産を残したまま、この世を突然去ったことにより、様々な波紋を投げかける結果となりました。
 
 私は、突然の死ではないと思っています。それは、起こるべくして起こった出来事でした。
 彼は多分、自分で自分を殺したのだと思います。自殺ではありませんが、自分の思いが自分を追い詰めていったと、私は思っています。
 浴びるように飲む薬、お酒、そうやって、彼は、何とか身体を持ちこたえてきたのではないでしょうか。
 肉体細胞は、すでにボロボロのようでした。どれだけの妙薬があっても、また、どれだけ名医が専属にいても、彼は、遅かれ早かれ、自分の息の根を、自分で止めていくしかなかったのです。
 それは、彼の意識の世界を思いやれば、感じられることです。
 あなたの心には、そう響いてきませんか。
 
 仮に、彼が、自らに目覚めることがあったならば、肉体を酷使してまでも、自らを追い詰めていかざるを得なかった心の苦しさを知ることができたでしょう。
 そして、もっと自分に優しく接していくことができたと思います。当然、それが自分の生き方にも反映されていったはずです。
 残念ながら、彼は、その環境の中で充分に学ぶことなく、この世を去っていったのです。
 しかし、彼の肉体、つまり、形として認識できる彼の存在は、もうこの世にはないけれど、彼の意識の世界、心の世界、つまり、形として認識できない彼は、厳然として存在しています。
 
 肉体が消滅しても、決して消滅しないものがあります。それが、意識の世界です。
 私達は、人間は、意識として、肉体云々に関わらずに、ずっと存在し続けることを学ぶために、今、色々な場所で、色々な境遇で、奮闘努力をしているのです。
 彼も、もちろん、その一人に過ぎませんでした。
 その学びの場を、もっと大切にしてほしかったと私は思います。

 自らの心の叫びを知り、その自分に限りない優しさを注いでいくことができたならば、いいえ、本当は、彼もまた、そのことを切望していたのではないでしょうか。