第二の人生
― ラストチャンスです ―


第1章



5.本当の生き方
 ― 自分を知っていこう ―

 人生とは何だろうかと、訊ねられた時、あなたは、どのように答えますか。
 私は、人生とは、自分が自分に与えた時間だと思っています。
 そして、その時間の中で、できる限り自分を知っていくことが、本当に生きることだと思っています。
 では、自分を知っていくとは、どういうことでしょうか。
 自分の何を知っていけばいいのでしょうか。
 それは、いかに間違った自分だったかを知っていくこと、そして、その間違ってきた自分の心の世界を知っていくことです。
 間違ってきた自分の心の世界と一口に言っても、どういうことが間違いなのか、今の段階では分からないかもしれませんが、私達は、みんな間違って生きてきたことは、確かなことなのです。
 だから、あなたは、生まれてきて、今そこにいるのです。
 生まれてくるということは、そういうことです。
 自分の間違いを修正するために、この世に出てくるのです。
 
 そこで、まず、自分を知っていくために、必要なものがあります。人です。自分以外の人間です。
 だから、私達は、自分を知っていくために、何らかの仕事に就いて、社会と繋がり、人と繋がっていきます。
 あるいは、家庭を作り、家族を持ちます。
 そうして、人との繋がりから、そして、その人達との間で起こる様々な出来事から、自分の心に出てくる色々な思いを感じるというか、知っていくことが、自分を知っていくことになっていきます。
 しかし、殆どの人は、自分を知っていくために生まれてきたとは思っていないから、当然、仕事や家族というものを、正しくとらえられないのです。
 仕事や家族に執着していく思いは、その最たるものです。
 それらは、自分を知っていくためにあるものなのに、そこに填《はま》っていくというか、とらわれていくというか、仕事や家族そのものに、エネルギーを注いでいってしまうのです。
 そうやって、大切な自分に与えた時間を費やしていってしまいます。
 自分が自分に与えた時間、この肉体があるその時間には、制限があります。無制限ではありません。限られています。
 ぜひ、大切にしていってください。
 
 あなたの周りにいる人達や、周りで起こる出来事から、自分の心に出てくる思いを拾っていけば、いかに自分が形というものにとらわれてきたかが、はっきりと分かってくると思います。
 形にとらわれ、形を本物とする思いが、いかに強くて、そして、それこそが自分の苦しみの大本であることが、分かってくると思います。
 誰しも、幸せで健康的で、明るく楽しい人生の時を刻みたいと願っているでしょう。
 現実は、なかなかそうはいかずに、四苦八苦しているかもしれませんが、形を本物とする思いが間違っていたことに気付いていけば、何も悪戦苦闘することなく、幸せも喜びも、すでに、自分の手の中にあったことに、気付いていけるはずなのです。
 
 少し怖い話をします。しかし、現実です。
 しっかりと生きてきました。一生懸命に生きてきました。私の人生は幸せな人生でした。そう言って死んでいく人達に意識を向ける時、とても、とてもそんなどころではないという話です。
 
 大変苦しい中から生まれてきたことを、生まれた途端に忘れ去っていくのが私達です。
 そして、殆どの人が、自分がもともと間違ってきたことにも、もともと苦しかったことにも気付かずに、だから当然、その修正もなく死んでいきます。
 私達には、これまでに転生を重ねてきた結果、自分の意識の中に作ってきた暗闇があります。
 暗闇は、いわば、自分の本質を知らずに苦しみ喘いできた過去の自分です。
 何度も言いますが、私達は何のために生まれてくるのでしょうか。
 私達は、苦しいから生まれてくるのです。
 自分を修正したいから生まれてくるのです。
 だから、暗闇の中で苦しみ喘いできた自分に、何もしてやれなくて、死んでいくことは、自分にとても冷たいことなのです。
 自分の心を真実の方向に向けることを一切せずに、またそういうことを、全く知らずに肉体を終えていく人生、これほど、不幸せな人生はありません。

 それでも、幸せだったと死んでいく現実に、私は何とも言えない思いを感じています。