「ありがとう」
―意識の世界への架け橋―

初版「ありがとう」から十年の歳月を経て



このたび、絶版となっていた「ありがとう」が、10年の時を経て再び息を吹き返す運びとなりました。私は、初版(2006年)当時、そしてそこからもう少し遡(さかのぼ)って2000年辺りを、懐かしく思い起こすいい機会をいただき喜んでいます。

復刻版「ありがとう」発刊に際し、初版本を久々に手に取り読みました。

『私は、今、「私の人生は幸せです」と胸を張って言えます。自分自身に言えるのです。だから私は幸せだと思います。誰がいるからとか、何があるからではなくて、私は自分の存在そのものが嬉しいと、今本当に心から思っています。』という箇所があります。

この思いを、私は今日まで大切に自分の中で育んできました。20年余り前に、自分の心を見るという学びを始めた私が、最初に田池留吉という方に言われたことは、「あなたは、喜びが少ないですね」ということでした。そうでした。それまでの私は何でも当たり前として生きてきました。あって当たり前、してくれて当たり前だった私に、初対面の方にズバリ言われたその言葉は本当に衝撃的でした。

今思えば、田池留吉氏は真っ直ぐに「あなた、間違っていますよ」と限りない優しさと温もりで伝えてくれていたのでした。

その田池留吉氏との出会いからすでに、20年余りの歳月が流れました。学びは人生だと言われ、セミナーに心血(しんけつ)を注いでくれた田池留吉氏も、去2015年(平成27年) 12月に90歳でその生涯を閉じられました。私は、1993年(平成5年)4月から宿泊を伴うセミナーに参加させていただき、波動の世界の真実を学ばせていただいてきましたが、まさにこれからが正念場だと思っています。「人間は肉ではなく、意識であって永遠に存在するものである」と伝えてくれて、セミナーにすべてを注いでくれた田池留吉氏の思いを熱く受け取っていこう、いかなければと心新たにしています。

田池留吉氏とともに学ばせていただいた真実の波動の世界です。その波動の世界を、田池留吉という肉がない状態でともに学ばせていただく喜びを私は今、心に感じています。肉こそそこにはありませんが、意識、波動、エネルギーとして確かに存在すると感じています。

久々に手に取り読み返した「ありがとう」は、私にとって学びの原点だと改めて思いました。愚かな肉まみれの私に、私の中の本当の私が、私の存在に気付きなさいとずっと待ち続けてくれていたんです。

心を見ること、心を中に向けることを知らなかった私だったから、私の中の本当の私は、田池留吉という肉を通して、肉を自分だと思っている愚かな私に伝えてくれていたんだということでした。「田池留吉氏の指し示す方向に、きちんとあなたの心を向けていきなさい」というメッセージを感じてきた20年余りの歳月を経て、今がどんなにすごい時なのかということ、今が本当に真実の世界と巡り合う千載一遇のチャンスなのだということが、心にしっかりと響いてきます。「この道を真っ直ぐに歩いてきなさい」と田池留吉の意識の世界から伝わってくる波動を心にしっかりと受け止め、着実な歩みを進めていくだけです。

先に申しました通り、2006年に書き上げた「ありがとう」は、私にとって学びの原点です。「ありがとう」復刻版発刊を機に、さらなる一歩をと思っています。

それでは、10年前に時を戻してまいります。